この演習で必要となる数学的なツールを整理します.
解析
微分,積分
テイラー展開
微分方程式の解法(変数分離ができればOK)
線形代数
ベクトルや行列の演算
行列式
ヤコビ行列
固有値・固有ベクトル
変数分離で微分方程式を解く¶
変数分離法は,常微分方程式の最も基本的な解法の一つです.
dtdN=f(N)⋅g(t)
の形に書ける微分方程式に対して,N を含む項と t を含む項をそれぞれ左辺・右辺に分離し,両辺を積分します.
例:指数増殖モデル¶
dtdN=rN 変数分離すると,
N1dN=rdt 両辺を積分して,
∫N1dN=∫rdt lnN=rt+C N(t)=N0ert ここで N0=eC は初期条件 N(0)=N0 から決まります.
例:ロジスティック成長モデル¶
dtdN=rN(1−KN) 変数分離すると,
N(1−N/K)1dN=rdt 左辺を部分分数分解して積分すると,解析解
N(t)=1+(N0K−N0)e−rtK が得られます.
ヤコビ行列 Jacobian matrix¶
多変数の連立微分方程式系
dtdx1=f1(x1,x2,…,xn),dtdx2=f2(x1,x2,…,xn),… に対して,ヤコビ行列は各関数の各変数に関する偏微分を並べた行列です:
J=⎝⎛∂x1∂f1∂x1∂f2⋮∂x2∂f1∂x2∂f2⋮⋯⋯⋱⎠⎞ 例:ロトカ-ヴォルテラ捕食-被食モデル¶
dtdN=aN−bNP,dtdP=cNP−dP ヤコビ行列は,
J=(a−bPcP−bNcN−d) 平衡点 (N∗,P∗) でこのヤコビ行列を評価し,その固有値から平衡点の安定性を判定します.
固有値・固有ベクトル¶
正方行列 A に対して,
Av=λv を満たすスカラー λ を固有値,ベクトル v を固有ベクトルと呼びます.
固有値は特性方程式
det(A−λI)=0 を解くことで求められます.
安定性解析への応用¶
平衡点におけるヤコビ行列の固有値 λ1,λ2,… から,平衡点の安定性がわかります:
例:2×2行列¶
A=(1324) 特性方程式は (1−λ)(4−λ)−6=0,すなわち λ2−5λ−2=0 です.
NumPyでは np.linalg.eigvals(A) で計算できます(P2-01で扱います).